この一節が

opfj

2015年06月08日 17:57



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ノーベル文学賞に輝いたインドの詩人タゴールの詩に

『死は生に属する、生誕がそうであるように。
歩行は、足を挙げることにある。
足を下げることでもあるように。』
(「迷える小鳥」267節)

この一節が、彼の思考の特徴を如実に表現しているように思える。
すなわち、
我々が、一面で見ているものの中には、まったく逆の相反するものが実は存在すると説く。

タゴールは、ガンジーともよく知り合う仲でもあった。
あるとき、ガンジーがある女学生からサインを求められ、書いた言葉が、
「軽率な約束をせぬように。一度した約束は、命をかけて守るべし」だった。
タゴールもサインを求められ、すぐさま書いたのが、
「誤りだと思えば、約束は、投げ捨てよ」というものだった。

それぞれの人生観を如実に語っている。
ガンジーは、自分の信念と約束を貫いた人生を歩み、
タゴールは良き隣人として、世界や日本に警鐘を鳴らし続けた。

彼は、1916年から5度にわたって来日している。
初来日より
帝国主義・軍国主義、そして国家主義へと向かっていく日本の姿を見て、
「西欧文明に毒された行動」
「日本の伝統美の感覚を自ら壊すもの」と、厳しい批判をしている。

彼の警鐘に耳を傾けることもなく敗戦。
戦後、その反省に立ち今日の日本が造られていった。

反省に立った戦後すら、いつの間にやら我々の方向は「西欧文明に毒された行動」をとっているだけだったのかもしれない。
一度動き出した制度や生活様式を変えるのは難しい。

『わかっちゃいるけど、やめられない~』というところ。

彼が書いた言葉、「誤りだと思えば、約束は、投げ捨てよ」

我々には、こんな柔軟さが必要だ。

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