2014年12月22日

視覚に依存しない空間感覚検知

イギリスで開発された世界一黒い物質ベンタブラック。
テレビで、YOU-TUBEで、或いは7月に発表された時に見た人もいるだろう。


感想と想像が人それぞれでおもしろい鋁窗維修
何に使うのか使えるのかという実用的な方向へ考える人が多いようだ。

私はまったくそちら方面へ思考が向かない。
まず最初に想像したのは宇宙のブラックホール。
定説では光をも吸収する凄い重力が中心にあるというもの。

ベンタブラックの光の吸収率は99.96%だそうだ史雲遜 有效

例えば太陽系の外周面全てを、ベンタブラック以上の物質で覆ってしまったらどうだろうか。
太陽系以外も見えない代わりに外からも見えなくなるはずだ。
宇宙空間は物質的に空っぽ(真空)ではなく原子が存在している。

ブラックホールに対する考えかたや取組みかたが変われば、画期的な宇宙解明の科学的手がかりになる可能性は大きい。



次に想像したのは、人間の光依存度である。

例えばベンタブラックを富士山の五合目以上全域に塗ったらどうなるか。
雪や不純物がすぐに付着してしまうという現実的な視点は無視して、もし塗れば、その部分はどこから見ても二次元的な平面にしか見えないはずだ史雲遜 有效

周囲の空間のほうが盛り上がり、空を切り抜いたように見える可能性が高い。


人間の全身、頭の先からつま先まですべてベンダブラックを塗布すれば、平面人間、影のような人間が動いているように見えるに違いない。

影絵と違うのは、周囲が立体的であるのに、影だけが薄っぺらい紙で出来ていて動く感じとなって、見ている人間の感覚では気分が悪くなり吐き気をもよおすかもしれない。



私たちの視覚は、モノ自体を見ているのではなく、光を見ている。
その時点では、二次元の、平面的な絵を見ているに過ぎない。
光の情報を脳内で組み立てて、脳内で立体に構成し直している。

以前のコラムで牛の色盲について書いたが、光の色には波長があり温度もある。
闘牛の牛には、赤いマントは他の色のマントとは違うという区別ができている。

また、光の情報を認識できるのは視力だけではない。
全盲となったヘレンケラーは、赤とピンクの微妙な色の違いさえも認識できていた。


私たちは通常、視力に情報収集の多くを依存している。
しかし考えてみると、もし進化論が真実だとすれば、私たちの祖先に、例えば魚類がいる。

魚は視覚にどれだけの情報収集能力を依存しているのだろう。
身体の両側に付いた目、鳥類のほとんども頭部両側に目が付いている。
前方の情報収集を目だけで可能にしているとは到底思えない。

私は猫と一緒に17年半暮らしていたが、猫の空間検知能力、動くものに対する察知能力は、明らかに視力だけではない。

よくヒゲだとか言われるが、確かに頭部には目の上にもヒゲがある。
聴力も敏感らしい、が、私はそれらだけではないように思っていた。

人間は人間的によって認知できる感覚能力にしか感触が及ばないので、猫が仮に人間の想像を超える感覚種をもっていも検出確認不能ではないだろうか。



スポーツ選手は動体視力の高いほうが有利と言われる。

ところが、世界一反射能力を要求されるスポーツの卓球で、前陣速攻型の二人が対戦した時には、どれほど動体視力が高くても、視力で球を捉えて打ち返すことは不可能らしい。
なのにラリーが続くのは何故だ。

私は20年前くらいに数年間、ラケットボールというスポーツをやっていた。
こちらは、ボールの速さがプロ選手となると300kmを超えるという世界最速球技である。

普通はボールを目で追っているのであるが、大会に出場して試合で集中すると、ゾーンらしきものに入ることが何度かあった。

その状態の時には、目でボールを追わない。
相手が打ったボールがどれほど速くても、勝手に体が反応するので、ディフェンスには圧倒的な自信が生まれていた。

自然に、四つ足というか、猫のような態勢となるし、横っ飛びでフライングレシーブするし、態勢にエネルギーを使うのでスタミナは過剰に消費するのだが。

また、目でボールを追わないと言っても、視覚は補助機能としてちゃんと役目を果たしている・・・、そう、視覚はあくまで補助というイメージになる。


自分の体験と合わせて考えても、視覚や聴覚、五感以外の、未解明の感覚検知能力が動物には備わっている可能性が高いように思う。

ただし、それを意識的に、意図的に引き出せるかと言えばわからない。
少なくても私にはできない。

極度に集中した時、極度に “五感以外で” 危険を察知した時などに出てくる。

イメージで表すとすれば、リズムである。
超感度のリズムに入ったり、逆にリズムの最悪さを感じるとき。


これは、正体不明だが、私にとっては100%ある。


ユング心理学を研究していくと、これも無意識領域内にある能力のように思えてくる。

ベンタブラックのニュースを見ていて、どれほど視覚依存しているかが十分に解ったので、視覚以外で空間や動きを把握する感覚の開発に、自分を実験台として取組んでみたい。


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