2015年05月07日
手乗りの子はいなくなり
「私は大バカだ」と、12歳の私は再び涙した。
だけど、それでもまだ懲りずに私は、
新しいセキセイインコのヒナを買ってもらった。
確か1羽500円だった。
一番最初に飼ったのは、ブルーのセキセイインコで、
その後黄緑色のセキセイインコも飼ったし、
そのうちツガイのセキセイインコが産卵して、
巣箱の中で小さなヒナが孵り、
そのヒナをまた手乗りに育てたりしているうち、
鳥かごの中はセキセイインコだらけになった。
手乗りの子はいなくなり、
鳥かごから1羽だけ出して遊ぶこともなくなり、
鳥たちはかごの中で鳥だけの生活をした。
数が増えると共にどんどん鳥臭くなってきた鳥かごは、
私の部屋の中からベランダに移され、
そうなると私のセキセイインコ熱もさめてきて、
次第にきちんと世話をしなくなった。
かご掃除の時に逃げられたり、
人にあげたりしているうち、
だんだんまたセキセイインコの数は減った。
最後の1羽が衰弱して死んだ時、
「私にはもうインコを飼う資格なんかない」と自覚し、
それ以来私は小鳥を飼うのをやめた。
ペットショップなどでセキセイインコを見るたびに、
かわいいなあ…と微笑んでしまうのと同時に、
無責任でいい加減だった自分の過去を思い出して
私はなんだかとっても苦い気分になる。